札幌高等裁判所 昭和27年(う)309号 判決
弁護人の主張趣意は傷害の点につき犯罪の場所、動機、原因は原判決引用の証拠によつては何れが真実か認定出来ないので、原判決は審理不尽であつて理由不備があると主張するものであるが、有罪の言渡をするには、罪となるべき事実を示さなければならないが、罪となる事実とは、犯罪の構成に必要なる具体的事実であつて犯罪の場所は罪となる事実ではないが、これを判文上明確にする所以は、犯罪事実の特定と、裁判管轄の当否を判断するについての必要条件に過ぎないものと解すべきであるから、判文上犯罪の場所を推知し得る程度においてなすを以て足り、明細に場所を認定摘示するを要しないものである。原判決は傷害の点については「余市郡余市町字山碓町梁瀬漁場附近において」と判示し、原判決挙示の証拠を綜合すると、右判示事実はこれを認めるに十分であつて場所の判示に欠くる点はない。
(後略)